スポンサーリンク

US 配列キーボードを日本語環境で使う方法

cat by Pierre-Auguste Renoir
記事内に広告が含まれています。

初めてPC に触れた時からキーボードとマウスは最も身近な周辺機器でした。とはいえ、昔は PC に専用のキーボードとマウスが付属するのが当たり前で、機種によってはキーボード一体型であり、別の種類のキーボードを使うなんて事は考えられない時代が長く続きました。

そんな流れが変化したのは、現代の PC の元祖にあたる IBM PC 互換機が一般的になった頃です。PS2 接続の様々なキーボードが単品販売されるようになり、現在では HappyHackingKeyboard や Realforce など、高額なキーボードも多く販売されています。接続方式も PS2 から USB や無線式、Bluetooth も一般的となり、今ではキーボードを嗜好品の一つとして選ぶ方も多いと思います。

そういう私も、沼にハマる程ではありませんが、キーボードには拘りを持って購入しています。現在使用しているのは keychron K8 の茶軸 US 配列です。US 配列を主に使い初めて結構な年数が経過しました。ニッチな世界ではありますが、これから US 配列のキーボードを使いたいと考えている方向けに、日本語環境で US 配列キーボードを使うノウハウを共有したいと思います。

スポンサーリンク

何故 US 配列を使いたいのか

そもそもですが、なぜ US 配列のキーボードを使いたいのでしょうか。私の考えを以下に記載します。

使用しない「かな」が印字されていない

最初のきっかけは、日本語配列のキーボードに印刷されている「かな」が不要だった事です。

タッチタイプ (ブラインドタッチ) を学生時代に身に着けて以降、日本語入力もローマ字入力です。かな入力を試した事がありませんので、キーボードの「かな」の印刷は、私にとっては不要なものです。

日本語配列のキーボードでも「かな」が未印字の物もありますが限定的です。

括弧の配置が対称、記号の配置が規則的

US 配列では、括弧の配置が対称になっています。[]{}<>() が全て隣り合っているのが好ましく感じます。

また、「=,+」、「-,_」、「\,|」、「',"」、「;,:」が同一のキーの SHIFT の有無であり、規則的である事も良い所です。

選択肢が豊富

US 配列は全世界共通の配列ですので、日本国内ローカルな配列とは異なり、世界中のキーボードから選ぶ選択肢があります。私が使用している Keychron K8 も含め、日本以外で作られたキーボードから好みの物を探す楽しみがあります。

また、中国製の安価なキーボードも US 配列が多く、そのような中からホットスワップ対応のメカニカルキーボードを選べば、キースイッチを交換して自分好みのキーボードを作る楽しみもあります。(沼にはまりそうで、私は未だ手を出していませんが)

技適の問題で無線方式は厳しいですが、USB 接続のキーボードであれば選択肢は豊富です。

昔苦労した名残り

Linux の kernel が 1.0 未満の頃は、インストールの際には US 配列のキーボードしか対応していませんでした。kernel をコンパイルして置き換えて、初めて日本語配列のキーボードが使えました。日本語配列のキーボードを接続すると、アルファベット部分はそのまま使用できますが、記号は US 配列ですので、入力して試しながら確認していました。

Windows のインストールも最近ではキーボードの選択を最初に行いますが、初期は US 配列しか使用できませんでした。Windows PE 等でも US 配列しか認識できない環境もありました。

iPhone に接続して使用する際にも、US 配列で使用する必要があります。(MacOS は US 配列ですね)

という風に、US 配列ではない場合に色々と苦労した経験があった為に、US 配列のキーボードを選ぶという事の優先順位が上がりました。

スポンサーリンク

US 配列キーボードを使用する方法

US 配列のキーボードを日本語環境で使用する事に大きな問題はありません。

Windows11 の場合

Windows11 のインストールの際には、キーボードの種類を選択する画面が表示されます。

インストール後であれば、設定から以下の画面の順に選択して、最後の画面で「英語キーボード (101/102キー)」を選択します。ノートパソコンに外付けで US 配列キーボードを接続した場合には、こちらの方法になります。

設定 -> 時刻と言語 -> 言語と地域
言語と地域 -> 日本語の横の3点リーダー -> 言語のオプション
キーボードレイアウト -> レイアウトを変更する
ハードウェアキーボードレイアウトの変更
英語キーボード (101/102キー) を選択して OK を押す

Ubuntu 22.04 LTS の場合

Ubuntu の場合は、インストールの初期画面に選択肢があります。English(US) -> English(US) を選択すれば、これ以降は US 配列キーボードとして認識されます。

Ubuntu 22.04 LTS のインストール画面 キーボードレイアウトの選択

インストール後であれば、設定 -> キーボードから入力ソースの「+」を押して、入力ソースに英語 (米国) を追加すれば使用できます。

設定 -> キーボード -> 入力ソースから「+」を押す
入力ソースを追加から英語 (米国) を選択

Linux のコンソールの場合

ssh 等、リモートで入力する場合には、ローカルのキーマップが反映されますので設定不要です。Window Manager を使用しないサーバー用途等で実機で起動して、コンソール画面のみで使用する場合には、US 配列キーボード向けに設定する必要があります。

Ubuntu / Debian 系

Ubuntu / Debian 系なら以下の方法で変更できます。

$ sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration

ncurses の画面で選択肢が表示されますので、以下の順に選択します。カーソルの移動はタブキーです。

  • Generic 105-key PC
  • English (US)
  • English (US)
  • キーボード配置のデフォルト
  • コンポーズキーなし
  • いいえ
sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration その1
sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration その2
sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration その3
sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration その4
sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration その5
sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration その6
$ sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration
[sudo] hiro のパスワード:
Your console font configuration will be updated the next time your system
boots. If you want to update it now, run 'setupcon' from a virtual console.
update-initramfs: deferring update (trigger activated)
initramfs-tools (0.140ubuntu13.1) のトリガを処理しています ...
update-initramfs: Generating /boot/initrd.img-5.19.0-32-generic

initramfs に書き込まれますので、再起動しても有効です。

systemd 環境

Arch Linux 等、systemd 環境では localectl を使用するようです。

Linux コンソール/キーボード設定 - ArchWiki

ちなみに Ubuntu も systemd 環境ですが、コンソールのキーボードレイアウトは設定できないようになっていました。

$ localectl status
   System Locale: LANG=ja_JP.UTF-8
       VC Keymap: n/a
      X11 Layout: us
       X11 Model: pc105

日本語入力 (IME) の切替方法

IME の切替は、私は Ctrl + SPACE に統一しています。そうすれば、Windows11、iPhone/iPad、Linux の三つの環境で、同じ操作で IME の ON/OFF を切り替えられます。(Android だけは Ctrl + Space にできないんですよねぇ)

Windows11 の場合

先程のキーボードレイアウトの変更の下の Microsoft IME の右側の「…」よりキーボードオプションを選択します。

キーボードレイアウトの変更の下にある Microsoft IME のキーボードオプション

キーとタッチのカスタマイズを選択します。

キーとタッチのカスタマイズ

Ctrl + Space に「IME-オン/オフ」を割り当てます。

これで Ctrl + Space で日本語入力を切り替えられます。

Windows11で Ctrl + Space の操作が重なるのは、私の知る限りでは Microsoft Excel で二つあり、IME のオン/オフが優先されます。「列選択」は使えないと不便ですが、Microsoft Excel はショートカットキーが変更できませんので、とりあえず我慢して使っています。(回避方法はありますので、後で記事にする予定)

Ubuntu 22.04 LTS の場合

Mozc の場合のみ記載します。Mozc の設定を起動します。

Mozc の設定

Mozc のプロパティからキー設定の選択の編集ボタンを押します。

Mozc プロパティ

直接入力の IME を有効化、及び入力文字なしの IME を無効化の「入力キー」欄を選んで、Ctrl + Space キーを押します。入力キーの表示が変わったら OK で反映させます。

Mozc キー設定

これで Ctrl + Space で日本語入力が可能になります。

日本語配列と US 配列の併用は可能?

少し前まで、本業ではノートパソコンの日本語配列キーボード、家では US 配列キーボードを使用していました。

キー入力は無意識に行っていますので、配列の微妙な違いによる打ち間違いは頻繁に起こっていました。入力する前に気付いているのですが指が止まらず押してしまい、押した直後に間違った事に気付いて消して…の繰り返しでした。夕方になって日本語配列に慣れて打ち間違いが少なくなって、今度は家に帰ると US 配列で間違って…の毎日でした。

現在は、US 配列のキーボード (+無線接続のマウスと FullHD のモニタ) を職場に持ち込み、ノートパソコンは台に乗せてサブモニターとして使用しています。本業でも家でも US 配列のキーボードを使うようになって、打ち間違いが格段に減りました。ストレスも少し解消できているように感じます。

という事で、併用はできますがお勧めしません。US 配列に移行するのであれば、安価でも良いので外付の US 配列のキーボードを常時使用するようにした方が良いと思います。

まとめ

主に初期設定と IME のオン/オフについて、US 配列のキーボードを使う際の設定について記載しました。

US 配列キーボードを使うというのは、私にとっては自分に合った筆記用具を購入するのに近い感覚があります。極端な場合には一日中触れる物であり、使用感が良いと触れるだけで満足できるように思います。

これが更に進むとスイッチ沼とか自作キーボード沼にハマるのでしょう。ハマりそうな自覚はありますので、これ以上散財しないように気を付けたいと考えています。先ずは広めの作業用テーブルを準備して、それからどうするか決めます。

自宅で使用しているのは Keychron K8 です。K8 Pro が出たので思わず手が出そうになりました。茶軸は思っていたより柔らかいタッチです。

自宅からのお下がりで本業で使用しているのは Razer BlackWidow Lite オレンジ軸です。赤軸相当で静音リングもつけています。キー自体の音は少ないのでしょうが、キーキャップの当たる音はしますので、ノートパソコンのキーボードよりは音は大きめです。騒がしい職場なので、あまり気になりません。

今回のアイキャッチ画像

色んな画家AIにネコの絵を描いてもらう【AIアート・Stable Diffusion】
葛飾北斎が猫一匹まともに画けないと言ったことは有名ですが、 今回は色んな画家のタッチで猫を描いてもらおうと思い…

こちらのプロンプトを参考にしました。二日遅れの猫の日記念に 'cat by Pierre-Auguste Renoir' で生成した1枚です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました